東宝の株価は「鬼滅の刃」で上昇?今後の株価を予想

はじめまして、投資家の関原大輔@sekihara_d)です。

今回は「東宝の株価」は「鬼滅の刃」で上昇するのか、今後の株価について予想していきたいと思います。

🔳東宝の株価は「鬼滅の刃」で上昇なるか?

✅制限解除や支援策で、株価が上昇

✅「鬼滅の刃」が記録的な大ヒット

✅株価は今のところ上がっていない

🔳東宝の株価が「鬼滅」ヒットでも上昇しない理由

✅コロナ前の業績には遠く及ばない

✅配当も、大幅な減配となる見通し

✅株価の指標は、かなり割高な水準

鬼滅の刃で、東宝の株価は上がるかな・・・

今回は、そんな疑問にお答えしていきます。

【結論】鬼滅の刃が大ヒットした東宝ですが、株価はそれほど上昇しません。

たしかに「鬼滅の刃」は大ヒットとなりましたが、それでもコロナ前の業績には遠く及びません。

21年2月期は大幅な減収、減益が確実であり、配当も大きく減配されるためです。

今回は「東宝の株価」は「鬼滅の刃」で上昇するのか、今後の株価について予想していきたいと思います。

東宝の株価は「鬼滅の刃」で上昇なるか?

それでは「東宝の株価」について予想していきましょう。

まずは2020年の「コロナ禍」や「鬼滅の刃」の影響について、現状を整理しておきましょう。

制限解除や支援策で、株価が上昇

東宝の株価は20年1~3月にかけて、コロナショックで大きく下落しました。

しかし20年8月より上昇に転じ、すでにコロナ前の株価を上回るまでに回復しています。

下図に、東宝の直近1年間における株価チャートを示します。

東宝(9602)株価チャート(1年)

8月からの、株価の急激な上昇には、下記の要因がありました。

✅9月19日より入場制限の完全解除

✅「Go To イベント」の開始が決定

9月19日より映画館の入場制限が完全に解除され、定員100%の観客を入れられることになりました。

さらに「Go To イベント」の開始が決まったことで、業界への回復期待が高まっています。

これにより東宝の株価は、たったの3ヶ月で1.5倍になる、急激な上昇となっています。

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「鬼滅の刃」が記録的な大ヒット

そして10月16日より上映を開始した、劇場版「鬼滅の刃」が、記録的な大ヒットとなりました。

公開から10日間での興行収入は107億円に達し、歴代最速で100億円を突破しています。

この記録的な大ヒットによる「鬼滅の刃」の経済効果は、社会現象にまで発展しています。

これにより東宝の株価は、さらなる上昇を続けるのでしょうか?

株価は今のところ上がっていない

ところが「鬼滅の刃」の上映開始後、東宝の株価は、それほど上がっていません。

下図に、東宝の直近2ヶ月の株価チャートを示します。

東宝(9602)株価チャート(2ヶ月)

「鬼滅の刃」の上映開始直後こそ大きく上昇しましたが、その後はすぐに反落しました。

現在の株価は、上映前の水準と変わりません。

では「鬼滅の刃」が大ヒットしたにも関わらず、東宝の株価はなぜ上昇しないのでしょうか?

以下に、詳しく解説していきます。

東宝の株価が「鬼滅」ヒットでも上昇しない理由

ここまで、「東宝の株価」の現状について整理してきました。

鬼滅の刃」が大ヒットした東宝ですが、株価は決して上がっていません。

そしてこれからも、それほど上昇することはないでしょう。

以下に、「東宝の株価が上昇しない」3つの理由について解説していきます。

コロナ前の業績には遠く及ばない

鬼滅の刃」が大ヒットした東宝ですが、それでもコロナによる業績悪化は避けられません。

下図に、東宝の業績推移と見通しを示します。

東宝(9602)業績推移と見通し

ここには「鬼滅の刃」上映後の10月23日に更新された、業績のコンセンサス予想も記載されています。

鬼滅の刃」は大ヒットしたものの、通期での業績悪化は避けられず、大幅な減収・減益となる見通しです。

さらに22年2月期の予想値においても、コロナ前の水準までは回復できない見通しです。

よって株価がさらに上昇するためには、業績の本格的な回復が必須といえるでしょう。

配当も、大幅な減配となる見通し

業績の悪化に連れて、配当金についても、大幅な減配となる見通しです。

下記に、東宝の配当金の推移を示します。

東宝の配当金

✅18年2月期:45円

✅19年2月期:45円

✅20年2月期:55円

✅21年2月期:35円(予想)

21年2月期の配当予想は35円と、大幅に減配される見通しです。

これでは、いくら「鬼滅の刃」がヒットしたところで、株価の上昇には期待できません。

株価をさらに上昇させるには、業績や配当の回復が必須といえるでしょう。

株価の指標は、かなり割高な水準

東宝の株価は20年8~10月にかけて50%も上昇したため、かなり割高になってきています。

さらに業績の悪化を受けて、株価指標の予想値も悪化しています。

下記に東宝の株価指標について、日経平均との対比を示します。

           日経平均  東宝

PER (会社予想)     22.3     81.8

PBR (倍)         1.1    2.0

配当利回り(会社予想)     2.0    0.8

株価の指標(2020年11月時点)

21年2月期は大幅な減益が確実のため、予想PERは81倍と、かなり割高になっています。

配当も大幅な減配予想となったことで、予想配当利回りも0.8%と、かなりの低水準です。

このように東宝の株価は、既にかなり割高な水準に達しているため、これ以上の株価上昇は難しいでしょう。

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まとめ

以上により、今回は「東宝の株価」は「鬼滅の刃」で上昇するのか、今後の株価について予想させて頂きました。

ここまで解説してきた項目について、最後にもう一度おさらいしておきましょう。

🔳東宝の株価は「鬼滅の刃」で上昇なるか?

✅制限解除や支援策で、株価が上昇

✅「鬼滅の刃」が記録的な大ヒット

✅株価は今のところ上がっていない

🔳東宝の株価が「鬼滅」ヒットでも上昇しない理由

✅コロナ前の業績には遠く及ばない

✅配当も、大幅な減配となる見通し

✅株価の指標は、かなり割高な水準

【結論】鬼滅の刃が大ヒットした東宝ですが、株価はそれほど上昇しません。

たしかに「鬼滅の刃」は大ヒットしましたが、それでも通期では、大幅な業績悪化が避けられません。

21年2月期は大幅な減収、減益、減配となる見通しで、株価指標もかなり悪化しています。

よってこれ以上の株価上昇は、しばらく期待することは難しいでしょう。

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