生前贈与の最適な方法とは 暦年贈与を活用し投資する

はじめまして、個人投資家の関原大輔(@sekihara_d)です。

今回は相続対策としての生前贈与について、その最適な方法について解説してみたいと思います。

相続対策を考えるなら、早めの段階から生前贈与を検討しておくことが重要です。

贈与者が亡くなってからでは遅いので、まだ元気なうちから、家族と一緒に生前贈与の準備を行うことが大切です。

生前贈与を行うには複数もの方法があり、銀行などの金融機関や保険会社も相続対策として、多くの金融商品を販売しています。

しかし、そのほとんどはユーザー向けではなく銀行や保険会社が儲かる仕組みになっている商品ばかりで、金融知識に乏しい老人ユーザーをカモにするような商品が多く乱立しています。

これらの商品に何も知らずに契約してしまうと、もはや気付くこともなく、銀行や保険会社に利益を搾取されてしまいます。

よって銀行や保険会社のカモにされないよう、しっかりと勉強して、生前贈与に備える必要があります。

今回は相続対策として生前贈与について、その最適な方法について解説してみたいと思います。

生前贈与の方法 相続税の基礎知識

それでは、生前贈与の最適な方法について解説していきましょう。

まずは相続税に対する基礎知識について簡単に触れておきましょう。

相続税の算出方法は、実際に取得した財産に税率を乗じるわけではありません。

相続税は、遺産額から下記の非課税枠を控除した額に対し課税されます。

【相続税の基礎控除額(非課税枠)】

2014年まで・・・5,000万円+(1,000万円+法定相続人の数)

2015年から・・・3,000万円+(   600万円+法定相続人の数)

上記の通り、2015年から相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられました。

これにより、相続税対策に迫られる世帯が急増し、生前贈与の活用などによる対策の需要が急増しました。

相続税の課税価格は、上記の非課税枠を控除した残りの金額を、法定相続分で分割した各人への分配額に対し税率を乗じ算出します。

【課税価格の算出例】

基礎控除後の遺産額が1億円の場合

妻  1億円×1/2=5,000万円

長男 1億円×1/4=2,500万円

長女 1億円×1/4=2,500万円

そして相続税の税額の算出は上記の課税価格に対し、下記の税率を乗じて算出します。

【相続税の税率】

課税価格※    税率     控除額

1,000万円以下  10%            -

3,000万円以下    15%    50万円

5,000万円以下       20%       200万円

1億円以下    30%   700万円

2億円以下    40%  1,700万円

3億円以下    45%  2,700万円

6億円以下    50%  4,200万円

6億円超     55%  7,200万円

※法定相続分に応ずる各人の取得金額

【相続税の算出例】

妻  5,000万円×20%(税率)-200万円(控除額)=800万円

長女 2,500万円×15%(税率)-  50万円(控除額)=325万円

長男 2,500万円×15%(税率)-  50万円(控除額)=325万円

相続税の税額は、基本的に上記のように算出されます。

それではこれらの基礎知識を踏まえた上で、次のステップに進んでいきましょう。

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生前贈与の方法 暦年贈与を活用する

生前贈与の有力な手段の一つとして、暦年贈与という方法があります。

暦年贈与とは、暦年(1月1日~12月31日)ごとに贈与を行い、その贈与額が年間で1人当たり110万円以下であれば、贈与税がかからない制度のことです。

つまり贈与者は、配偶者やご子息、お孫さんに至るまで、年間で1人当たり110万円までであれば、無税で贈与を行うことができるのです。

暦年贈与を最大限に活用する

生前贈与を行うには、この暦年贈与を最大限に活用することが重要です。

たとえば配偶者と子供2人の各3人それぞれへ年間110万円を贈与すれば、年間で330万円、3年で約1,000万円、9年で3,000万円もの資産を無税にて贈与、相続することが可能なのです。

したがって、しっかりと準備をして早めの時期から生前贈与を行っておけば、後で相続に困ることもなく、しっかりと節税もした上で贈与、相続を行うことができるのです。

生前贈与の方法 銀行や保険会社に頼らない

銀行などの金融機関や保険会社には、相続対策を誘い文句にした金融商品が数多く販売されています。

そして相続対策を検討する年配の方の多くは、銀行などの金融機関や保険会社へ相談してしまうため、彼らの販売する保険などの金融商品に加入する方が多いのが実情です。

これらの商品に加入するほとんどの方は、自分には金融の知識がないし、今さら勉強してもよく分からないし、面倒なので、とりあえず損さえしなければ、金融機関や保険会社に資金を預け、相続対策をすべて任せてしまおう、となるわけです。

しかし、彼らの販売する金融商品に安易に資産を預けてしまうことは危険なので、私は決しておすすめしません。

彼らの販売するすべての金融商品は、金融機関や保険会社が儲かるよう巧みに構築された仕組みになっているため、加入者には特別なメリットはなく、利益のほとんどは販売会社に搾取されてしまっています。

冷静に考えてみてください。

なぜ金融機関や保険会社は、それらの金融商品を販売しているのでしょうか。

答えは当然、もの凄く儲かるからです。

お金についてよく勉強すると、なぜ販売会社が儲かっているのかが、よく分かります。

冷静に考えてみれば販売会社は皆、都心の一等地にオフィスを構え、高年収の社員を多く抱えています。

そのような大企業があれほどの巨額の利益を出し続け、何年も営業を続けているのですから、保険などの金融商品が、いかに儲かるのかがよく分かります。

生前贈与などの相続対策は、ほんの少しだけ勉強をすれば、企業の商品に頼らなくても自分たちで簡単に行うことができます。

贈与者が長年かけて構築してきたせっかくの大切な資産なのですから、企業に利益を搾取されるのではなく、自分たちでしっかりと運用して資産を保全しながら増やし、かつ節税していきたいところです。

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生前贈与の方法 暦年贈与を活用し投資する

ここまでで生前贈与に関し、暦年贈与の活用について解説してきました。

そしてここからが大切なのですが、資産の相続は、贈与することが終着点ではありません。

ここでは贈与をした後のお金について考えていきます。

暦年贈与では、1人当たり毎年110万円までなら、非課税で贈与することができます。

この年間110万円の資金を、どう活用するのかが極めて重要なのです。

ここでも前述したのと同様に、金融機関や保険会社の販売する金融商品には決して手を出してはなりません。

彼らの商品に手を出すことは、せっかくの贈与資金を販売会社へ無償で提供し、利益を供与してしまうことと同じだからです。

かといって年間110万円もの資金を、ただ預金で眠らせてしまってはいけません。

1人当たり年間110万円、9年で1,000万円にもなるまとまった資金があれば、運用しない手はありません。

資産を運用して、お金に働いてもらうのです。

自らが主導して資産を運用すれば、企業にお金を吸い上げられるリスクはありません。

資産は自ら運用することによって初めて、着実に増やしていくことが可能となるのです。

贈与後はNISAでの投資がおすすめ

贈与後の資産の運用には、NISAの活用がおすすめです。

NISAとは2014年に導入された税制優遇制度のことで、毎年決まった投資枠の中で、株式や投資信託の値上がり益と配当金を無税にしてくれる制度です。

出典元:SBI証券

NISAは非課税でお金を増やすこと(=投資)のできる素晴らしい制度であり、まさに政府からのビッグプレゼントといっても過言ではありません。

これほどの有難い優遇制度はもはや使わない理由が無く、我が家では私はもちろんのこと、妻にも加入してもらい夫婦で2口座分のNISAを開設して運用しています。

この他にも、子供のためのNISA口座として『ジュニアNISA』という制度もあるくらいです。

出典元:SBI証券

NISAには『一般NISA』と『つみたてNISA』の2種類の制度があり、投資目的などに合わせていずれかを選んで始めることになります。

出典元:楽天証券

ここで一般NISAなら年間120万円まで無税で投資することができるので、年間110万円までの暦年贈与であれば、全額を非課税で投資することができます。

よって生前贈与の最適な方法は、暦年贈与を活用することにより無税で贈与を行い、その後はNISAを活用して全額を非課税で投資することにより、資産をしっかりと保全しつつ、増やしていくことができるのです。

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👉NISAのメリット、デメリットとは 🔰初心者向けに解説

NISAを始めるには

気になるNISAの始め方ですが、今はネット証券のサービスがかなり充実してきており、スマートフォンなどからインターネットで手軽に投資することができるので、ネット証券での投資がおすすめです。 

ネット証券であれば手数料も格段に安く、投資信託なら100円からでもクリックだけで手軽に少額投資することができるので、初心者にも安心でおすすめです。

ネット証券であれば利用登録もインターネットで手軽に申請でき、口座開設を含め初期費用もすべて無料なので、これを機に無料登録をして、まずは100円からでも投資してみることをおすすめします。

証券会社は国内シェア1位のSBI証券か2位の楽天証券がおすすめで、私自身もこの2社を愛用しており、このいずれかを選んでおけば十分です。

出典元:SBI証券

出典元:楽天証券

この辺りについては別記事の『初めての株式投資 初心者向けの始め方をやさしく解説』にて詳しく解説していますので、あわせて参照ください。

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👉初めての株式投資 初心者向けの始め方をやさしく解説

まとめ

以上により、今回は相続対策として生前贈与について、その最適な方法について解説させて頂きました。

生前贈与を行うには、1人当たり年間110万円まで非課税で贈与ができる『暦年贈与』を最大限に活用することが重要です。

そして贈与された資産には決して手をつけずに、非課税投資制度であるNISAを活用して、無税で長期投資をしましょう。

NISAなら年間120万円まで無税で投資することができるので、年間110万円までの暦年贈与であれば、全額を非課税で投資することができます。

よって生前贈与の最適な方法は、暦年贈与を活用することにより無税で贈与を行い、その後はNISAを活用して全額を非課税で投資することにより、資産をしっかりと保全しつつ、増やしていくことができるのです。

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