住宅ローンの繰り上げ返済のデメリットとは

多くの人が人生最大の借金となる住宅ローン、少しでも早く返済したく、繰り上げ返済に邁進する方が沢山いらっしゃいます。

もちろん悪いことではありませんし、むしろ浪費で消えてしまうよりは、はるかに良いことなのです。

しかし、ここでお金の教養を学ぶことにより、実は繰り上げ返済よりも、もっと良い方法があることをご存知でしょうか。

このようなことは普通の人は考えもしないことなので、それを知る人はなかなか少ないのが実情です。

ここでは住宅ローンの繰り上げ返済の是非について解説していきます。

住宅ローンの繰り上げ返済とは

まず繰り上げ返済の本質的なしくみについて解説します。

繰り上げ返済をするということは、その金額を元本の返済に充填するほか、毎月支払い続ける金利負担を軽減する効果が得られます。

しかも単利ではなく複利的な効果を得られますので、特にローン前半戦の早い時期に行うとより効果が高まります。

ここで本質を整理すると、繰り上げ返済をするということは、住宅ローン金利分への、複利投資をしていることと同義となります。

元本の返済は繰り上げ返済の有無に関わらず、満額を返済するという条件は変わりません。

つまり繰り上げ返済によって何が変わるのかというと、金利の負担が減るということだけです。

住宅ローン 繰り上げ返済のデメリット

しかし、現在の金融市況は未曽有の低金利であり、住宅ローンの変動金利は0.4%台の低水準です。

先述したように、繰り上げ返済をするということは、この0.4%の金利負担を軽減する効果しかありません。

よって繰り上げ返済をするということは、年利0.4%の金融商品へ投資をしていることと同じことなのです。

ここで冷静に考えて、果たしてこの0.4%という超低金利へ投資して、一体何になるのでしょうか。

たしかに預貯金をするよりは間違いなく有効ですが、年利0.4%への投資に血眼になることは、マネーリテラシーに欠けた行動です。

ほんの少しでもお金や投資について勉強をすれば、利回り1~3%程度の運用をすることは、ごく簡単な話です。

早い話、最も安全な手法としても国内債券の投資信託へ投資していくだけで、安全に利回り1%程度の運用はできますし、株式投資であれば、より高利回りの運用を目指すことも可能です。

ちなみに私は常に、年間8%以上の利回りを目標に、資産運用を続けています。

例えば100万円の繰り上げ返済をする場合について比較すると、繰り上げ返済の金利0.4%では、30年間が経過しても、繰り上げ返済による金利軽減効果は、たったの12万円でしかありません。

しかし、この100万円を自身で利回り8%で運用した場合、100万円が30年間で、なんと1,000万円にもなるのです。

これが『複利』の偉大な力です。

詳しくは別記事の 『株式投資 『複利』運用の偉大な力~人類最大の発明』 にて詳しく解説させて頂いております。

つまり、0.4%程度の金利負担を減らす効果しか得られない繰り上げ返済をするくらいであれば、そのお金を別の投資で運用した方が、はるかに賢明ということです。

繰り上げ返済では返済期間が3年しか縮まらない場合でも、投資手法によっては、ローン完済を10年縮めることも、十分に可能となります。

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