株式投資をする上で、金利と経済の関係について理解している方は少ないと思いますが、これほど重要な事を知らずに投資をする事はあまりにも危険であり、間違いなく知っておいた方が得策です。
世界経済を占う上で、金利は重要なファクターの1つとなります。経済ニュースでよく、米国の利上げというキーワードが盛んに飛び交いますよね。
これは経済大国アメリカの金利の動向が、世界経済に大きく影響するためです。ここでは、金利と経済の関係についてシンプルに解説してみたいと思います。
株式投資 金利の果たす役割
各国の長期金利は、それぞれの政府と中央銀行によって大部分が操作されています。これは言い換えると、経済の行方はある程度、政府に操作されているということです。
例えば政府の思惑通りにインフレが進み景気が過熱してくれば、金利を上昇させ相場を抑制します。これは現在でいうと米国が段階的に利上げをしていますよね。
逆にデフレが続いている場合には金利を低下させる事で経済を活性化させ、インフレを誘導する政策が施されます。
これは現在の日本に当てはまります。
このように各国政府は金利を操作する事により、経済が暴走せぬようある程度コントロールしようとしている訳です。
経済というものは歴史的にも拡大と後退を常に繰り返しており、循環サイクルのように定期的な周期でぐるぐると廻っているものです。
そしてその度に、金利の上昇と低下を繰り返しています。
下図は米国10年債利回りの10年間の推移です。
米国10年債利回り(10年チャート)
リーマンショックから立ち直るべく2012年までは金利を引き下げ景気を刺激している事が分かります。
そして直近では2017年に大きな株高となった影響で2018年にかけて金利が急上昇した事で一時警戒感が高まり、株高が抑制されました。
株式投資 経済の変化と金利の動向
経済は概ね上図のような循環サイクルを数十年規模の周期で繰り返します。
いずれの変革期においても、金利の動向が密接に影響してきます。
景気拡大 → インフレ → 金利上昇
↑ ↓
金利低下 ← デフレ ← 景気縮小
また金利は為替とも密接な関係を示します。
一般に日米の金利差が拡大すればドル高に振れ、金利差が縮小すれば円高に振れます。
考えてみるとこれも理にかなっていますよね。
簡単にいうと為替の世界は、金利の上昇した方の通貨が買われやすいというシンプルな話なのです。
以上のように、金利は景気の動向に密接に繋がっており、大変重要なファクターの1つなのです。
これが分かると金利に対する見方も変わってくるはずで、今後の運用においても重要な指標の1つとなるはずです。
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