株式相場というものは定期的なサイクルで暴落を引き起こすものですが、まさに2019年1月現在、株価は暴落の真っただ中にいます。
下図は日経平均株価の6ヶ月チャートですが、2018年10初旬につけた24,200円をピークにその後どんどん下落を続け、12月下旬には19,100円にまで暴落し、たったの2.5ヶ月の間に20%以上も暴落してしまいました。
日経平均株価 6ヶ月チャート
これだけ連日で下落を続けると下げが下げを呼ぶ悪循環の展開となり、市場参加者の間にもパニックに陥る人が徐々に増えてきます。
このような時には株価の下落がいつ止まるのか、底値となるタイミングをできる限り高精度で予測することが重要になります。
底値のタイミングさえ分かれば、そのタイミングで一気に集中投資すれば、簡単に富を築くことができるからです。
そこで今回は株価暴落時における底値のタイミングを見極める方法について、いくつかの手法を紹介し解説していきたいと思います。
株価暴落から底値をつけるまでの期間と下落率
株価の暴落が始まってから底値をつけるまでには統計的にどの程度の期間を要するのかを見ていきます。
株価の暴落には定期的なサイクルのようなものがあり、概ね年に1~2回の頻度で株式市場全体が大きく下落する局面がみられます。
下記は直近の株式市場が暴落した時の事例をまとめたもので、書籍『株初心者も資産が増やせる高配当株投資』より引用したものになります。
暴落の時期 日数 暴落の要因 下落率
2018年 1~2月 23日 米国の利上げ 13.2%
2017年 3~4月 36日 北朝鮮情勢の緊迫化 7.3%
2016年 5~6月 24日 英国のEU離脱 13.3%
2015年12~2月 74日 世界的な景気減速懸念 25.7%
2015年 8~9月 50日 中国株式市場の暴落 19.3%
2013年12~2月 38日 原油安やギリシャ不安 14.2%2013年 5~6月 22日 米国の金融緩和縮小示唆 22.1%
2012年 3~6月 69日 EU各国の債務問題 19.7%
2011年 7~8月 19日 世界的な景気後退懸念 14.7%
2011年 3~3月 12日 東日本大震災 23.6%
直近の株式市場が暴落した事例
(出典元:株初心者も資産が増やせる高配当株投資)
これによると、株価の暴落が始まってから底値をつけるまでには概ね3週間~2ヶ月程度を要することが分かります。
したがって一度暴落が始まると、なかなかすぐには下げ止まらない事が多いため、少なくとも3週間程度は様子を見た方が良いということになります。
また下落率については、統計的には概ね13~25%程度の下落率となる傾向が多いことが分かります。
したがって暴落が始まってからまだ日が浅く、2週間程度以内の場合や、下落率がまだ10%程度の場合には、もう少し下げる可能性が高いことを頭に入れておきましょう。
暴落が始まったからといって慌てて買う必要はなく、高ぶる気持ちを抑えて3週間程度以上もしくは下落率が13%程度を超えるまでは我慢する方が賢明であるといえます。
株価暴落時の底値を見極める指標
次に株価の暴落時において、底値を見極めたい時に参考となりそうな指標について紹介したいと思います。
ここでは下記3つの指標について紹介していきます。
参考とする指標
✅VIX指数
✅騰落レシオ
✅新安値銘柄数
株価暴落時の底値を見極める指標① 【VIX指数】
VIX指数 6ヶ月チャート
まず有名な指数としてVIX指数が挙げられます。
VIX指数とは別名『恐怖指数』とも呼ばれ、市場の恐怖心理を計る指標として広く使われており、米国のS&P500の価格変動に対する投資家の心理状況を示す指数になります。
市場参加者の恐怖が高まっている時にはVIX指数は高くなり、逆にリスクオンの状況で市場参加者が強気になる時にはVIX指数は低くなります。
VIX指数の目安ですが、市場が平穏な時には概ね14〜20程度で推移し、株価の急落時などで市況の恐怖が高まる時には20を超えてきます。
逆にリスクオンの状況で市場参加者が強気になる時にはVIX指数が10〜12程度にまで低下してきます。
過去の株価暴落時の傾向をみると、VIX指数が25を超えてくると暴落の域となって市況が最悪の心理状況であることを示しており、逆にいえば底値が近い可能性が高いといえます。
直近の暴落時においては2018年12月24日にVIX指数が36にまで急上昇しており、このような時には完全に暴落といえます。
因みにリーマンショックの時のVIX指数は最高値でなんと89にまで上昇しています。
🔹VIX指数を見てみる
👉https://nikkei225jp.com/data/vix.php
株価暴落時の底値を見極める指標② 【騰落レシオ】
騰落レシオ 6ヶ月チャート
騰落レシオとは、市場全体での上昇銘柄数を下落銘柄数で割った指標になります。
ただし1日単位で計算すると動きが激しくなるため、通常は直近25日間の上昇銘柄数を下落銘柄数で割り、パーセント単位で表します。
騰落レシオ = 上昇銘柄数 ÷ 下落銘柄数(%)
傾向としては、市場が上向きの時には100%を超えて、下落基調になると100%を割り込みます。
過去の暴落時の傾向をみると、底値をつける頃には騰落レシオが70%以下程度にまで低下する傾向にあります。
直近の暴落においては、2018年12月21〜26日にかけて騰落レシオが65〜68%程度にまで低下しました。
株価においてもここを底値として年明けには上昇に転じていますので、今回の暴落ではここが底値となるのかもしれません。
🔹騰落レシオを見てみる
👉https://nikkei225jp.com/data/touraku.php
株価暴落時の底値を見極める指標③ 【新安値銘柄数】
新安値銘柄数 6ヶ月チャート
新安値銘柄数とは、一定期間における最安値をつけた銘柄の数を示します。
通常は、1〜3月の時には前年からみて最安値をつけた銘柄数を、4月以降では当年1月からみて最安値をつけた銘柄の数を示します。
市場が暴落する時には多くの銘柄が安値をつけるため、新安値銘柄数が一気に急増します。
そして底値を過ぎると株価は上昇に転じるため、今度は急激に減少します。
底値の目安としては、新安値銘柄数が500を超えてくると底値をつけることが多い傾向にあります。
市場が大きく暴落する時には、一部上場企業の半数前後が新安値をつけることもあります。
直近の暴落においては2018年12月25日に新安値銘柄数が驚異の1,601にまで激増しました。
この数字だけを見ても明らかに市場が暴落していることが分かり、そして底値が近そうだということも推測することができます。
🔹新安値銘柄数を見てみる
👉https://nikkei225jp.com/data/new.php
まとめ
以上により、株価暴落時の底値を見極める方法について解説させて頂きました。
ここで解説してきた要点をもう一度整理すると、下記のような指標が底値を予測する上でのポイントとなりそうです。
底値を見極める方法のまとめ
✅暴落が始まってから底値をつけるまでは3週間~2ヶ月程度
✅暴落時の下落率は13~25%で底値をつけることが多い
✅暴落時にはVIX指数が25~30を超えてくると底値が近い
✅暴落時には騰落レシオが70%以下まで低下すると底値が近い
✅暴落時には新安値銘柄数が500を超えてくると底値が近い
これらの目安を活用することにより、底値のタイミングを予測することは暴落時においては大いに役立つ知識となります。
特にVIX指数が25を超えているような時には市場が半ばパニックのような状況となりますが、市況のパニックに惑わされないよう、このような指標を活用し冷静な判断を下し、底値を見極めることができれば、大きな富を築くことができるでしょう。
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