株価暴落時に米国株が強い理由とは

2019年1月現在、株式市場は直近の株価暴落のショックから抜け出せずに、株価は依然として低迷を続けています。

2018年の株式市場は2~3月にかけて一度暴落が発生し、その後は回復傾向にありましたが、10月から下落基調に転じ、12月には再び大きな暴落を招きました。

日経平均株価の下落率は2〜3月にはおよそ15%、10〜12月には20%以上も下落してしまっています。

日経平均株価 2年チャート

このように株式市場というものは年に1〜2回の頻度で暴落が発生します。

ところがいつの暴落時においても、米国の株価の強さは際立っています。

米国の株価は他の先進国と比べ下落率も小さく、また暴落後の株価の戻りにおいても、いち早く回復する傾向にあります。

これは決して偶然などではなく、れっきとした理由があり、経済大国である米国の経済力の強さや、国の株式投資に対する意識の違いなどが起因していると考えられます。

そこで今回は株価暴落時における米国株の強さについて解説してみたいと思います。

株価暴落時の米国株の強さ

まず実際に起きた株価暴落時における、米国株の強さについて解説していきます。

はじめに直近の暴落となった2018年10月からの暴落のケースについて見てみましょう。

下図は直近6ヶ月の値動きについて、日経平均とNYダウを比較するために重ねたチャートになります。

日経平均とNYダウの比較チャート(6ヶ月)

この値動きを見ると、日経平均の方が明らかに下落率が高く、NYダウの方が踏ん張ってくれていることが分かると思います。

そして年末くらいから株価が戻り始めたのですが、ここでもNYダウの方が上昇率が高く、株価の戻りも早いことが分かります。

2015年中国ショック~2016年英国EU離脱

続いて2015~2016年にかけて株価が暴落した事例について見ていきましょう。

2015年8月からの中国ショックや、2016年には英国のEU離脱問題を受けて株価は大きく下落し、日経平均株価は約30%近くも暴落する大惨事となってしまいました。

日経平均株価 5年チャート

NYダウ 5年チャート

このように中国や欧州が発信源となって世界同時株安と騒がれ、世界が混乱を極めるなかにおいても、米国市場は平穏を保ち、この時の下落率も10%強に留まっており、暴落時における強さが際立っていることが分かります。

米国株暴落時の強さ 2008年リーマンショック

続いて未曽有の大暴落となったリーマンショックについて見ていきます。

2007年の末くらいから下落を始め、2009年2月をボトムに日経平均株価は半値以下、下落率にして約60%ほどの大暴落となりました。

さすがにこの時は米国も日本ほどではないにせよ下落率は約50%、NYダウもピーク時から半値になるまで暴落してしまいました。

日経平均株価 2004~2012年

NYダウ 2004~2012年

ところが暴落後の株価の戻り方に、非常に大きな差が見られます。

米国市場は2009年2月で底を打ち、その後は急激に反発を始め2012年にはリーマンショック前の水準にまで戻りましたが、日経平均においては長らく低迷を続け、米国市場の猛烈な反発を目の前にしながらも、株価暴落のショックからしばらく抜け出せずにいました。

そして結果的に日本の株価が息を吹き返し始めたのは安倍政権が発足した後の2013年になってからでした。

こういった側面からも、株価がいち早く回復してくれる米国株の方が安定度に優れ、暴落時にも強い特性を持つことがいえると思います。

株価暴落時に米国株が強い理由

ここまで株価暴落時における米国株の強さについて解説してきました。

ここからは米国株がなぜ暴落時においても他の先進国を尻目に強さを発揮できるのかについて解説していきます。

暴落時に米国株が強い理由① 圧倒的な経済力

まず米国は日本と比べ、はるかに経済力が強いです。

下図は日本と米国それぞれにおける名目GDPの推移を示したチャートになります。

日本の名目GDPの推移

米国の名目GDPの推移

これを見れば誰がどう見ても、米国経済の圧倒的な強さが分かると思います。経済の量、質、伸び方、どれをとっても米国の方が圧倒的に優位です。

よってこれだけでも、経済危機の際に日本と米国のどちらが強さを発揮できるのかは明らかです。

暴落時に米国株が強い理由② 国民の投資意識が高い

日本、米国、欧州の家計における金融資産構成

米国では株式投資に対する国民の意識が非常に高いことが特徴です。

上図は日本、米国、欧州の家計における金融資産の構成を表したものです。これを要約して、有価証券に投資している比率をまとめると下記のようになります。

有価証券(株式+投資信託)の保有比率

日本:14.9%

米国:48.0%

欧州:25.8%

日本では有価証券の保有比率が14.9%でしかなく、いかに投資する慣習がないということが分かります。

さらにいえば、これはあくまでも平均値なので、有価証券の保有がゼロという世帯も多くいるはずです。

したがって日本では金融資産のほとんどを現金・預金で保有するという、国民性のようなものがあるのです。

一方の米国では対照的に有価証券の保有比率が48%となっており、金融資産の約半分は株式もしくは投資信託へ投資しています。

そして現金・預金の比率はたったの13.1%でしかなく、日本とは金融資産の構成が真逆となっています。

すなわち米国では、日本人が預金をするような感覚で投資をしているということです。

多くの国民が、投資をすることが当たり前となっており、逆に現金で保有する方が愚かとされているのです。

ここで結論をまとめると、日本人は株式を買わないので株価もなかなか上昇しにくい環境にあり、逆に米国では国民が総出となって株式が買われるため、必然的に株価が上昇しやすい環境にあるのです。

よってこのことからも日本と米国とで、どちらの経済が強靭で、どちらの株価に底力があるのかは誰の目にも明らかなことなのです。

暴落に強い米国株 おすすめの買い方

ここまでで株価暴落時における米国株の強さついて解説してきましたが、最後に米国株の買い方についても紹介しておきます。

海外株と聞くだけで難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、結論からいうと、投資信託のインデックスファンドへの投資で十分です。

もちろん個別企業の銘柄へ投資することも可能なのですが、日本に在住している日本人にとって海外の個別銘柄を攻めていくのは少々難易度が高く、少なくとも、米国在住の米国人と比べて情報面で不利となることは明らかです。

そうとなれば何もリスクを冒して無理をする必要などなく、インデックスファンドへの投資で十分です。

 米国株のインデックスファンドであれば全米の全業種にまんべんなく分散投資していることになるのでリスクも低く、また信託報酬も安くすむため、おすすめです。

参考までに、私が投資している米国株インデックスファンドの概要と運用成績について下記に紹介しておきます。

ファンド名:SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド

種 別  :米国株式(為替ヘッジなし)

買付手数料:無料(ネット証券の場合)

最小投資額:100円以上1円単位(ネット証券の場合)

運用開始日:2009年4月30日

同ファンドはNYダウをベンチマークとしたインデックスファンドで2009年より運用されており、設立から10年間運用した場合のパフォーマンスは+350%にまで及びます。+350%ということは、投資額が4.5倍になるということです。

またインデックスファンドにするメリットとして、ネット証券を利用すれば手数料が無料で、投資額も100円以上から1円単位で手軽に投資できるので、初心者にも安心して投資することができます。

よってネット証券で米国株のインデックスファンドへ投資する手法が最もおすすめで、この手法であれば好きな時間に、好きな金額をスマートフォンなどからインターネットで手軽に投資することができます。

利用登録もインターネットで手軽に申請でき、口座開設を含め初期費用もすべて無料なので、これを機会に無料登録をして、まずは100円からでも投資してみることをおすすめします。

証券会社は国内シェア1位のSBI証券か2位の楽天証券がおすすめで、私自身もこの2社を愛用しており、このいずれかを選んでおけば十分です。

この辺りについては別記事の『株式投資の始め方 🔰初心者でも安心の始め方を解説』でも詳しく解説していますので、あわせて参照ください。

🔹証券会社を見てみる

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まとめ

以上により、株価暴落時における米国株の強さと、その理由について解説させて頂きました。

最後に、米国株の強さについてもう一度おさらいしておきます。

米国株の強さ

✅暴落時にも株価が他国よりも安定している

✅圧倒的に経済力が強い

✅国民の投資意識が高い

米国は経済大国であり、その経済力は間違いなく世界一です。

そんな米国市場と国内市場を比べれば、どちらが優位なのかは明らかなことであり、またこの先の将来においても、日本と米国とどちらの経済が強くなるのか、そしてどちらの株価が強くなるのかは、もはや誰の目にも明らかなことなのです。

株式投資で成果を上げるには、このような知識や経験が必要となります。

投資について学ぶには書籍にて独学で勉強をするのも良いのですが、何から始めれば良いのか分からない方も多いと思います。

そんな方は、一度無料セミナーに出てみるのも良いかもしれません。

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