オリエンタルランドの株は非常に人気が高く、多くの投資家から注目を集めています。
特に株主優待でディズニーランドの1デーパスポートを貰えることもあり、孫のために投資する年配の個人投資家などからも、人気を集めています。
しかし、オリエンタルランドの株は既に多くの個人投資家に買われすぎており、かなり割高な状況です。
投資に精通しない個人投資家が何も考えずに投資をすると、大きな損失を出してしまう可能性もあります。
今回は株式投資の初心者が「オリエンタルランドの株を買ってはいけない理由」について解説していきたいと思います。
オリエンタルランドの株は超割高
それでは、オリエンタルランドの株を買ってはいけない理由について解説していきましょう。
まずオリエンタルランドの株価は、既にかなり割高な水準にあります。
オリエンタルランド(4661)業績推移と見通し
(四季報 21年3月19日更新)
オリエンタルランド(4661)株価チャート_20年
上図はオリエンタルランドの20年間の株価推移です。
アベノミクスが始まった2012年頃から急激な上昇を始め、この9年間で、株価は9倍にまで上昇しています。
この株価の急上昇は、果たして妥当なのか?
この株価の異常なまでの急上昇は、果たして妥当なものなのでしょうか。
答えは『ノー』です。
下記はオリエンタルランドのPER、PBR、配当利回りについて、日経平均の数値と比較したものです。
日経平均 オリエンタルランド
PER (予想) 22.5 288.9
PBR (倍) 1.3 6.5
配当利回り(%) 1.6 0.2
株価の指標(2021年4月時点)
同社のPERは、日経平均の22倍に対し288倍と、異常に高い水準です。
さらに21年3月期は業績悪化が避けられず、最終利益は▲400億円もの巨額赤字を計上する見通しです。
またPBRについても、日経平均の1.3倍に対し6.5倍と、かなり高い水準です。
つまりオリエンタルランドの株価は通常の水準と比べ、5~13倍も割高であることを示しています。
配当利回りはわずか0.2%
また配当利回りについても同様で、日経平均の1.6%に対し、オリエンタルランドは0.2%と、かなりの低水準です。
これは配当が低いだけではなく、単純に株価が割高な状況にあることを示しています。
株価が高すぎて、配当利回りが0.2%にまで低下してしまったのです。
これでは高いリスクを負って株式を買っても、リスクに見合うリターンが期待できません。
このような株価の妥当性を見る方法については、下記の別記事にて詳しく解説していますので、あわせて参照ください。
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オリエンタルランドの株は購入金額が高くハイリスク
オリエンタルランドの株価は、ここ数年であまりにも大きく上昇したため、最低購入金額がとても高額です。
21年4月時点での最低購入金額は、100株で160万円前後に達しており、かなりの高額銘柄となっています。
投資額が大きくなるということは、それだけリスクも高まります。
株価が割高なので、リスクが高い
先述したようにオリエンタルランドの株価は通常の水準の5~13倍程度にまで上昇しています。
よっていつ暴落してもおかしくなく、株価が現在の半値になってしまっても、何も不思議ではありません。
もし株価が半値になってしまった場合には、最低金額の160万円の場合でも、80万円もの損失となる可能性があります。
優待目的でオリエンタルランド株を買っても、80万円もの損失を出してしまっては、元も子もありません。
このようにオリエンタルランドの株は購入金額が高いため、リスクの高い投資先といえるでしょう。
オリエンタルランドの株を安く買うには
それでも同社の株へ投資するなら、100株の高額投資ではなく、1株からの少額投資がおすすめです。
なかでもSBIネオモバイル証券のS株(単元未満株)を活用すれば、株を1株からでも購入できます。
1株であれば、高額なオリエンタルランドの株も、16,000円前後で投資することができます。
少額で手軽に投資でき、リスクも低く抑えることができるため、人気の高い投資法です。
オリエンタルランドの株主優待は全く得ではない
オリエンタルランド株の目玉である1デーパスポートの株主優待券ですが、冷静に分析してみれば、まったくお得ではありません。
ディズニーランドの1デーパスポートの金額は8,200円であり、これを優待して貰うがために、160万円もの投資をして株を買うことになります。
株主優待の実質利回りは?
この株主優待制度を21年4月時点で利回りに換算すると、わずか0.5%でしかありません。
160万円を投資して、リターンが8,200円でしかないということは、還元率が0.5%しかない、ということ。
これではお得でも何でもなく、配当利回りの0.2%と合わせても、株主への還元率は0.7%でしかありません。
日経平均の配当利回りは約1.6%なので、これに比べると、かなり見劣りします。
よって、無理をしてオリエンタルランドの株式を買わずとも、他の一般的な銘柄を買った方が「はるかにお得」ということです。
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オリエンタルランド株 業績も既に頭打ち
先述した通り、オリエンタルランドの株価は、直近9年間で、9倍にまで高騰しています。
果たして今後の業績は、それに見合う成長が期待できるのでしょうか。
ここで売上や利益の実績、見通しについてみていきましょう。
オリエンタルランド(4661)業績推移と見通し
(単位:百万円)
これによると業績は19年3月期がピークとなっており、その後は大きく低迷する見込みとなっています。
特にコロナやインバウンド減少の影響は避けられず、21年3月期は▲400億円の赤字となる見通しです。
今後の見通しは厳しいか?
長期的にみれば、今後は少子化で若年層の人口はどんどん減少するため、オリエンタルランドの将来性も、それほど明るくはないと考えます。
少なくとも、直近9年で株価が9倍になった勢いは感じられないため、勢いが止まることは必至です。
特にコロナの影響で、業績の成長は完全に止まったことから、今後の動向には引き続き注視する必要がありそうです。
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まとめ
以上により、今回は「オリエンタルランドの株を買ってはいけない理由」について解説させて頂きました。
ここ数年で大人気の銘柄へと成長したオリエンタルランドですが、現在ではかなり割高な状況にあります。
もし株価が適正な水準にまで下落してしまうことがあれば、株価が現在の半値以下となっても、まったく不思議ではありません。
安易に有名な銘柄に惹かれて投資をしてしまうと、大きな損失を出してしまう可能性もあります。
よって初心者の方は、十分注意して投資をするよう心掛けましょう。
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