はじめまして、投資家の関原大輔(@sekihara_d)です。
今回は「JR東日本の株価」を予想して、回復に時間がかかる4つの理由を解説していきたいと思います。
JR東日本の株価を予想【直近はコロナで暴落】
✅コロナ禍で、株価は暴落
✅業績は巨額の赤字に転落
✅株主還元も、大幅に縮小
✅株価は割安で既に底打ち
JR東日本の株価予想!回復に時間がかかる4つの理由
✅①二度目の緊急事態宣言は痛手
✅②需要はコロナ前には戻らない
✅③22年3月期の黒字化を目指す
✅④業績回復の目標は「2025年」
「JR東日本の株価は、今後どうなるかな・・・」
今回は、そんな疑問にお答えしていきます。
【結論】JR東日本の株価は、底打ちはしたものの、回復にはかなりの時間を要します。
JRにとってコロナによる需要減は、あまりにも大きな痛手です。
社会情勢の大変革を受け、コロナが終息しても、鉄道の需要は元には戻らないでしょう。
今回は「JR東日本の株価」を予想して、回復に時間がかかる4つの理由を解説していきたいと思います。
JR東日本の株価を予想【直近はコロナで暴落】
それでは「JR東日本の株価」について、予想していきましょう。
まずはJR東日本における、株価と業績の現状について整理しておきましょう。
コロナ禍で、株価は暴落
早速ですが、下図に過去30年間における、JR東日本の長期株価チャートを示します。
同社の株価は2020年、コロナをきっかけに大暴落となりました。
東日本旅客鉄道(9020)株価チャート_30年
コロナ以前は1万円を超えていた株価は、一時5,500円にまで急落しました。
わずか9ヶ月で株価が半値となる、大暴落となってしまったのです。
JR東日本にとっては、それだけコロナの影響が大きいということです。
業績は巨額の赤字に転落
それもそのはず、JR東日本の業績は、コロナ禍で巨額の赤字が確定的となりました。
下図に四季報による、JR東日本の業績推移と見通しを示します。
21年3月期の最終利益は、▲4,180億円となる、巨額赤字の見通しとなりました。
これは過去に類を見ない大赤字であり、株価が急落するのも当然といえるでしょう。
東日本旅客鉄道(9020)業績推移と見通し
(四季報 20年12月16日更新)
株主還元も、大幅に縮小
コロナ禍による業績悪化を受け、株主還元も大幅に縮小されています。
上図の通り、20年3月期は165円であった配当金は、21年3月期は100円まで減配されました。
さらに配当の減配に加え、これまで継続してきた自社株買いも中断されています。
ここまで株主還元が縮小されては、株価が暴落するのも当然といえるでしょう。
配当および自己株式取得の推移
株価は割安で既に底打ち
一方、株価が半値にまで暴落した影響で、株価に割安感も出てきています。
下記にJR東日本の株価指標について、日経平均との対比を示します。
日経平均 JR東日本
PER (倍) 25.2 -
PBR (倍) 1.3 0.9
配当利回り(%) 1.6 1.4
株価の指標(2021年2月時点)
JR東日本のPBRは0.9倍まで低下し、平均値と比べ3割ほども割安な水準となりました。
この影響もあってか、株価の下落は20年10月には底を打ち、その後は横ばいが続いています。
東日本旅客鉄道(9020)株価チャート_2年
特に21年1月、二度目の緊急事態宣言が発動されても、株価は下落しませんでした。
このことからも、JR東日本の株価は、すでに底打ちした可能性が高いでしょう。
JR東日本の株価予想!回復に時間がかかる4つの理由
ここまでJR東日本における、株価と業績の現状について整理してきました。
ここからは今後の株価についてですが、回復にはまだまだ時間がかかるでしょう。
以下に回復に時間がかかる、4つの理由について解説していきます。
①二度目の緊急事態宣言は痛手
JR東日本の業績にとって、二度目の緊急事態宣言は大きな痛手となりました。
下図にJR東日本における、定期外収入の推移を示します。
JR東日本 定期外収入の推移
21年には回復するはずであった鉄道需要は、二度目の緊急事態宣言により、再び落ち込んでしまいました。
これにより外出自粛やテレワーク、出張減少により、鉄道需要が大きく減少しています。
この緊急事態宣言は、JR東日本の業績回復を遅らせる、大きな足かせとなっています。
②需要はコロナ前には戻らない
残念ながらコロナの流行で、社会情勢は大きく変わってしまいました。
よってコロナが終息しても、鉄道需要が元の水準まで戻ることはないでしょう。
下図にJR東日本が発表している、今後の鉄道収入のイメージを示します。
JR東日本 運輸収入の推移イメージ
たとえコロナが終息しても、在来線、新幹線ともに、元の需要には戻らない見通しです。
今回の社会情勢の変革により、リモート技術が急速に普及したことは間違いありません。
今後もテレワークやリモート会議などが増加し、出張の機会も激減するでしょう。
このことからもJR東日本の業績は、一筋縄では回復できないでしょう。
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③22年3月期の黒字化を目指す
JR東日本の業績見通しですが、まずは22年3月期に、ギリギリの黒字化を目指すことになりそうです。
下図にJR東日本における、業績のコンセンサス予想を示します。
東日本旅客鉄道(9020)業績推移と見通し
(単位:百万円)
先述した通り21年3月期には、▲4,000億円を超える巨額赤字が計上される見通しです。
まずは、この大赤字を解消するところからのスタートです。
次年度の22年3月期の業績予想では、ギリギリ黒字化できるかどうかの瀬戸際です。
よって株価が回復する時期は、その後の、まだまだ先の話となるでしょう。
④業績回復の目標は「2025年」
JR東日本の業績がコロナ前の水準を取り戻すのは、早くても2025年まではかかるでしょう。
同社が21年1月に修正した経営ビジョン「変革2027」では、中期目標を2025年までに設定しています。
この計画によれば、同社の業績は2025年度までに、コロナ前の水準を回復できるかどうかのレベルです。
つまりJR東日本の業績が回復するには、それだけ多くの時間がかかるということです。
よってJR東日本の株価が回復するのは、早くても2025年までを要するでしょう。
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以上により、今回は「JR東日本の株価」を予想して、回復に時間がかかる4つの理由を解説させて頂きました。
ここまで解説してきた項目について、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
JR東日本の株価を予想【直近はコロナで暴落】
✅コロナ禍で、株価は暴落
✅業績は巨額の赤字に転落
✅株主還元も、大幅に縮小
✅株価は割安で既に底打ち
JR東日本の株価予想!回復に時間がかかる4つの理由
✅①二度目の緊急事態宣言は痛手
✅②需要はコロナ前には戻らない
✅③22年3月期の黒字化を目指す
✅④業績回復の目標は「2025年」
【結論】JR東日本の株価は、底打ちはしたものの、回復にはかなりの時間を要します。
JRにとってコロナの影響は大きく、たとえ終息しても、元の需要は回復できないでしょう。
業績は巨額の赤字であり、今後も22年3月期に黒字化できるかどうかのレベルです。
経営計画が示す通り、株価と業績の回復は早くても、2025年までを要するでしょう。
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