不動産投資 リスクの種類と回避の方法④【高金利&金利上昇編】

不動産投資にとっての最大の課題は、なんといってもリスクの高さでしょう。

不動産投資では株式投資などの他の投資と違って多額のローンを組んで行うため、失敗した時のダメージが大きいためです。

2018年にはスマートデイズとスルガ銀行により展開されてきたシェアハウス事業の破綻問題により、多くの投資家が経営難に陥る大騒動となり、その後は各銀行も融資に対し消極的となってしまいました。

不動産投資では通常、数千万円のローンを組んで物件を購入するため、まさにリスクとの闘いといえます。

失敗すれば多額のローンが重くのしかかるため、失敗する訳にはいきません。

そこで不動産に参入する投資家にとって必要なことは、あらかじめ不動産経営についてしっかりと勉強をし、リスクを洗い出し、考えられるリスクをすべて潰していく必要があります。

そこで今回は、不動産投資におけるリスクの種類とその回避の方法について解説していきます。

不動産投資 リスクの種類

まず不動産投資のリスクの種類について洗い出してみます。

不動産投資のリスクの種類

✅空室のリスク

✅修繕のリスク

✅家賃の下落リスク

✅地価の下落リスク

✅悪徳物件のリスク

✅高金利融資のリスク

✅金利上昇のリスク

✅災害のリスク

少なく見積もっても、不動産投資にはこれだけのリスク要因があります。

『これではリスクだらけではないか!』と思う人もいるかもしれませんが心配無用、リスクについて勉強し、考えられるリスクをすべて潰していけば良いのです。

リスクの洗い出しはどんな経営においても必須要件です。

逆にいうとリスクの洗い出しをできない人が経営で成功できるはずがなく、不動産で失敗している人は、間違いなくリスクの洗い出しができていません。

それではリスクについて1つ1つ勉強しながら潰していきましょう。

ここで上記9つのリスクとその回避方法について解説してみたところ、とんでもないボリュームの記事となってしまったため、ここではリスクシリーズの第4弾として【高金利融資と金利上昇のリスク】について解説していきます。

なおその他のリスクについての解説は下記の別記事にてまとめていますので、あわせてどうぞ。

🔹あわせて読みたい

👉不動産投資 リスクの種類と回避の方法①【空室&修繕リスク編】

👉不動産投資 リスクの種類と回避の方法②【家賃&地価下落リスク編】 

👉不動産投資 リスクの種類と回避の方法③【悪徳物件のリスク】

不動産投資 高金利融資のリスクと回避の方法

不動産投資は多額のローンを組んで行うのが通常のため、融資を受ける上での『金利』の扱いがとても重要となります。

金利の大小は投資家の属性や自己資金の多寡によって大きく左右されますし、金融機関によっても大きく異なります。

その他、社会情勢の影響も多分に受けるため、非常に変動要素の強いものであるといえます。

融資金利は当然ながら低ければ低いほど良いものですが、投資家の属性によっては高い金利でしか融資を受けられない場合もあります。

特に2018年になってからはスルガ銀行による不正融資の騒動を受け、どの銀行においても融資のハードルがとても高いものとなってしまい、融資を受けられる金融機関も限られてきてしまっているのが実情です。

金利の大小が勝負の分かれ目

高い金利で融資を受けることは不動産経営の収益を圧迫するため、破産のリスクが高まります。

特に初心者やサラリーマンの人に注意して欲しいのが、金利2.5%以上の高金利融資の誘惑です。

属性や自己資金の問題で、そのような高金利の金融機関でしか融資を受けられない場合には特に注意が必要です。

高属性の人には融資の条件も優遇されます。

具体的には年収1千万円以上のような高年収の場合や地主のような資産家には、どの金融機関も融資を出したいため条件が良くなり、金利も1%台の前半で引ける場合も珍しくありません。

しかし属性の高くない人や自己資金が少ない場合には注意が必要です。

いくら気に入った良い物件に出会えたとしても、金利を1.0%で引けるのか2.5%で引くかでは信じられないほどの雲泥の差が生まれます。

1.0%の金利(高属性の人)ならOKの物件でも、2.5%(低属性の人)ではNGと判断せざるを得ないような物件ケースは多々あります。

それだけ金利の大小については重要です。

物件の利回りばかりが追及されがちですが、金利についても同じ重要度で大切な項目となります。

高金利融資は破産のリスクを高める

不動産投資を行う時の理想として、できれば1%台の金利で融資を受けたいところです。

2.5%以上のような高金利でしか融資を引けない場合は仕方がないのですが、そのような条件下で安定した経営を遂行するには、それなりの高利回りの物件を高稼働で運営するしか選択肢がなくなってしまいます。

高利回りの物件というのは高収益である反面、それだけリスクも高まることが通常です。

よって、ただでさえ高金利というハンデのリスクを負うのに、物件にも高いリスクを課してしまえば二重でリスクを負うことになるので、経営が想定通りにいかなかった場合には致命傷となるリスクを伴います。

高金利融資のリスク回避策

高金利のリスクを避けるためには、できる限り低い金利で融資を受ける努力が必要です。

特に2.5%以上のような高金利の場合には安易に受け入れるのではなく、頭金を1~2割程度入れるなど多少無理をしててでも、1%台の金利で融資を受けられる方向へ努力をしましょう。

高い金利は収益を圧迫するため、投資のリスクを格段に高めます。

金利とはローン完済までの数十年に渡り長く付き合う大事な指標ですので、金利の引き下げには最大限の努力を講じましょう。

どうしても2.5%以上の金利でしか融資を受けられない場合には、ローン完済までの長期に渡り健全な経営ができるのかどうか、しっかりと収支シミュレーション実施する必要があります。

購入時の財務状況は健全でも、ローン後半戦には物件の老朽化や地域の人口減少に伴い入居率もしくは家賃が減少する可能性がありますし、減価償却が終われば税金の負担もより大きくなるため、一般にローン後半戦には収支が苦しくなります。

その時に高い金利はボディーブローのように効いてきて、じわじわとダメージを負わせてきます。

不動産投資の収支シミュレーションの方法について学ぶには、下記の書籍が大変参考となります。

Excelを活用して、将来の予想収支を計算してみましょう。

🔹今回の記事に関連するおすすめ書籍

不動産投資 金利上昇のリスクと回避の方法

続いて金利上昇のリスクについて解説します。

国内の金融情勢は未曽有の低金利政策が長く続いており、日本の10年債利回りは本執筆時点で0.03%と依然としてゼロ金利状態が続いています。

しかし海外の先進国では米国が先頭に立って利上げを繰り返し実施しており、欧州もこれに追従する見込みとなっており、日本においてもいずれは景気拡大と物価上昇の安定が実現すれば、利上げが実施されることになります。

その時には、ローンの変動金利も上昇するリスクを伴うでしょう。

変動金利が上昇すれば、不動産経営の収益は圧迫される要因となります。

金利上昇は悪いことばかりではない

しかし、金利の上昇は決して悪いことばかりではありません。

ここで、金利の本質についての理解を深めましょう。

金利が上昇する時に最も恩恵を受けるのは、金融機関と『投資家』です。

金利が上がるという事はすなわち、景気の拡大と物価上昇が著しく加速したため、景気や物価の過熱感を抑制するために中央銀行が金利を引き上げるものです。

つまり金利が上がる時というのは、景気が過熱している状況といえます。

景気が過熱すれば不動産価格は間違いなく上昇します。

またインフレが過熱している状況ですので、賃貸住宅の家賃相場も上昇する可能性が高いといえます。

すなわち、金利が上昇する時には不動産価格や家賃相場も上昇するため、投資家にとっては保有資産の価値が著しく上昇しているはずなのです。

さらに株式投資をしていればなお理想的で、金利上昇時には株価も著しく上昇します。

したがって金利上昇時には投資家の資産も著しく増大するため、投資家にとっては決して悪いことではなく、むしろ良いことと言っても過言ではありません。

金利上昇のリスクを回避するには

強いていえば金利の上昇は不動産ローンの返済の面ではマイナスの影響を及ぼすため、このリスクをヘッジするためには、株などの投資資産を持っていると対処がしやすくなります。

金利が上昇してローンの返済額が増えても、株価も上昇するため所有資産を増やすことができれば対処ができるはずです。

またインフレに伴い家賃が上昇すれば不動産収入も増えることからリスクを回避することができますし、金利上昇時には不動産価格も上昇するため場合によっては売却してしまえば大きな利益を残せる可能性もあります。

以上のように金利が上昇した場合にも、様々な方法によりリスクを回避することができるはずなので、金利上昇時のリスクに備えて準備さえ整えておけば、決して慌てる必要はないはずです。

まとめ

以上により、今回は【高金利融資と金利上昇のリスク】について解説させて頂きました。

これらのリスクは不動産経営において全体の中のほんの一部のリスクであり、多くのリスクと向き合う必要のある不動産投資はまさに、リスクとの闘いともいえるでしょう。

不動産投資はあくまでも経営ですので、リスクは付きものです。

事前にしっかりと準備と勉強をして、考えられるリスクを洗い出し、1つ1つ潰していきましょう。

不動産投資について学ぶには書籍にて独学で勉強をするのも良いのですが、初心者の方は何から始めれば良いのか分からない方も多いと思います。

そんな方は、一度無料セミナーに出てみるのも良いかもしれません。

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