こんにちは、投資家の関原大輔(@sekihara_d)です。
今回は「株式市場だけが楽観的」である現状について解説したいと思います。
🔳リセッションを織り込まないのは、株式市場だけ
✅債券市場は、リセッションを織り込んでいる
✅FRBも、年後半のリセッションを認めている
✅株価だけが、楽観的な上昇を続けている
✅実質的な量的緩和が、短期的なバブルに
✅VIX指数は、1年6ヶ月ぶりの低水準に
✅失業率が低い時、株価は常に天井となる
【重要】FRBも債券市場も、秋からのリセッション入りを認めています。
リセッション入りを織り込んでいないのは、もはや株式市場だけです。
3月の実質的な量的緩和が短期的バブルを生んでしまい、市場に重大な歪みが生じています。
今回は「株式市場だけが楽観的」である現状について解説したいと思います。
リセッションを織り込まないのは、株式市場だけ
それでは「株式市場だけが楽観的」である現状について、解説していきましょう。
以下に6つの要素について、1つずつ解説していきます。
債券市場は、リセッションを織り込んでいる
債券市場は明らかに、秋からのリセッション入りを織り込んでいます。
下図にFedWatchによる、米政策金利の見通しを示します。
上図の通り11月から来年へかけて、急速な利下げが織り込まれています。
これは債券市場が、秋からのリセッション入りを織り込んでいることを意味します。
秋以降には景気後退期に入り、連続的な利下げが行われる。
特に2024年にかけて、債券市場は完全なリセッションを想定しているのです。
FRBも、年後半のリセッションを認めている
FRBですら、年後半のリセッション入りの可能性を、公式に認めています。
3月のFOMC議事要旨で「23年後半から、緩やかな景気後退が始まる」との見通しを示しています。
また同議事要旨では「recession」のワードが、計3回も使われました。
「mild recession」=緩やかな景気後退、という表現がされています。
3月の金融不安を受け、FRBも公式に「recession」入りの見通しを示しています。
株価だけが、楽観的な上昇を続けている
しかし株価だけが、楽観的な上昇を続けています。
NASDAQは昨年末の安値から約20%上昇し、強気相場入りが近づいています。
3月に、あれだけの金融不安が発生したにも関わらずです。
下図に、年初からのNASDAQチャートを示します。
3月10日のシリコンバレー銀行の破綻をきっかけに、株価が急上昇しています。
これは私も想定外の株高で、さすがに驚きを隠せませんでした。
4つの銀行が破綻に追いやられたにも関わらず、株価が大きく上昇したのです。
これが「株式市場だけが楽観」している、市場の重大な歪みです。
実質的な量的緩和が、短期的なバブルに
この株高を発生させた主たる要因が、FRBによる実質的な量的緩和です。
下図に3月における、FRBのバランスシート拡大を示します。
FRBは銀行救済のため、4,000億ドル(53兆円)ものマネーを市場へばら撒きました。
FRBのバランスシートは急拡大
これで大量のマネーが供給され、金融不安は沈静化し、株式市場へ資金が流入しました。
これまで縮小してきたバランスシートが、いとも簡単に拡大しています。
しかし4月に入り金融不安は沈静化したため、バランスシートは再び縮小へ向かっています。
よって3月の株高は一時的となり、秋にはリセッションへ向かう可能性が高いでしょう。
VIX指数は、1年6ヶ月ぶりの低水準に
金融不安が沈静化し、株式市場は楽観を極めています。
下図に、恐怖指数VIXの推移を示します。
VIXは4月19日に16.46まで低下し、1年6ヶ月ぶりの水準まで低下しました。
これは2021年11月中旬以来で、株価が史上最高値にあった時と同水準です。
つまり現在の楽観度合いは、株価が史上最高値にあった時に近い水準ということです。
それくらい株式市場は楽観的で、強気の姿勢が維持されています。
失業率が低い時、株価は常に天井となる
そして現在は、失業率も記録的に低い水準にあります。
下図に、失業率と株価の推移を示します。
現在は雇用の需要が強く、3月の失業率は3.5%と、きわめて低い水準です。
この雇用の強さも、株式市場を楽観させ、リセッションを織り込まない要因となっています。
失業率と株価(S&P500)の関係
しかし雇用の強さは今がピークで、今後の失業率は上昇していくと予想します。
これだけ強い金融引き締めを継続すれば、やがて失業率は上昇します。
上図の通り失業率が低い時、株価は常に天井となります。
これから失業率が上昇してくれば、株式市場も慌ててリセッションを織り込むことになるでしょう。
まとめ
以上により、今回は「株式市場だけが楽観的」である現状について解説させて頂きました。
ここまで解説してきた項目について、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
🔳リセッションを織り込まないのは、株式市場だけ
✅債券市場は、リセッションを織り込んでいる
✅FRBも、年後半のリセッションを認めている
✅株価だけが、楽観的な上昇を続けている
✅実質的な量的緩和が、短期的なバブルに
✅VIX指数は、1年6ヶ月ぶりの低水準に
✅失業率が低い時、株価は常に天井となる
【重要】FRBも債券市場も、秋からのリセッション入りを認めています。
強烈な金融引き締めと金融不安により、米国のリセッション入りが有力視されています。
もはやリセッションを織り込んでいないのは、株式市場だけです。
金融引き締めを継続して失業率が上昇すれば、株式市場も慌てて景気後退を織り込むことになるでしょう。
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