不動産投資 フルローンとは
不動産投資におけるフルローンとは、不動産を購入する際に頭金を入れずに物件価格の全額を融資で賄い購入する手法を指します。
2012年の政権交代以降、国内ではアベノミクス政策と未曽有の低金利状態が続いたこともあり、収益を確保したい地方銀行が特に2017年までは融資に積極的であったため、この頭金なしのフルローンにて不動産を購入する手法が、ごく一般的に行われていました。
なお融資を引くのはあくまでも物件価格についてであり、諸経費や仲介手数料については現金で支払う必要がありますが、この諸経費等も含めすべてを融資で賄う手法はオーバーローンと呼ばれ、区別されています。
このフルローンという手法は、全額を融資で投資することのできる夢のような話である一方で、当然ながらリスクも伴います。
よって今回は、フルローンのメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
不動産投資 フルローンのメリット
✅自己資金が少なくても不動産投資をすることができる
✅手持ちの資金を減らさずに資産を拡大できる
✅投資に大きなレバレッジをかけることができる
✅温存した資金を他の投資に廻すことができる
フルローンのメリットですが、まず先述したように全額を融資で賄うため、自己資金が少なくても不動産投資を始めることができます。
頭金が不要のため、手持ちの資金を減らさずに投資ができるという点は、大きなメリットになります。
全額を融資で購入できるということは、言い換えると、自分の能力(資産力)をはるかに超える投資ができるということで、フルローンはまさに究極のレバレッジ投資といえます。
レバレッジをかけて投資規模を大きくすることにより、他の投資ではできないほどの、規模拡大のチャンスを得ることができます。
またフルローンの大切なポイントとして、ただ単に自己資金がなくてフルローンを活用するのではなく、フルローンにより温存できた初期費用を『他の投資に廻せる』ことがポイントとなります。
戦略的に『あえて』フルローンを使うということです。
頭金の費用を抑えられれば、これを元手にもう1棟不動産を購入しても良いですし、株式投資に廻して不動産と併せて長期運用することも可能となります。
不動産投資 フルローンのデメリット
✅借り入れ金額が大きくなるため、失敗した時のダメージが大きい
✅フルローンでは融資が高金利になりがちなので要注意
✅返済比率が高くなる
✅悪条件の物件を買ってしまうと致命傷となる
続いてフルローンのデメリットについてですが、まず借り入れ金額が大きくなるため、失敗した時のダメージが大きくなります。
数千万円の資金を借り入れる以上、失敗すればその分ダメージも大きくなるので、しっかりと勉強して、負けない投資をする必要があります。
また頭金を入れないので融資を得られる金融機関も限られ、金利も高くなりがちなので、特にフルローンの場合には返済比率が高まり、リスクが高まります。
有名な事例ですと、シェアハウス事業破綻で問題化したスルガ銀行が有名で、金利は4.5%と超高金利です。
返済比率が高まると、空室や修繕が発生した場合に赤字(持ち出し)になりやすくなるので、十分注意が必要です。
またフルローンでは高いリスクを少しでも低減させるために、できる限り良い物件を、良い融資条件で購入する必要があります。
フルローンで悪条件の物件を購入してしまうと、全額融資がゆえに手の施しようがなく、致命傷となってしまいます。
なかでも初心者にありがちなパターンとして、販売会社の口車に乗せられ、自己資金が不要だからといって何の準備もせずに、言われるがまま割高物件を購入してしまう事例が多発しています。
このような事態を回避するには、販売会社の営業マンと対等に近いレベルで会話ができるよう、事前にしっかりと準備と勉強をするほかありません。
販売会社の言うことにはすべて疑ってかかり、すべて自分で根拠の裏付けを取れるくらいの知識を身に付け、カモにされることのないよう、事前にしっかりと準備をしましょう。
不動産投資 フルローンは究極のレバレッジ投資
私も実際にフルローンで、新築アパートを2棟購入しています。
これは凄いレバレッジであり、自分の実力をはるかに超える物件へ投資できるという点では、不動産は唯一無二の事業であり、その中でもフルローンは究極のレバレッジ投資といえます。
フルローンは頭金がなくても物件を購入でき、購入後は管理会社にすべてを任せ、入居者がせっせとローンを返済してくれます。
さらに毎月お小遣い(キャッシュフロー)まで貰えて、ローン返済が終わればすべて自分の物件になるという、夢のような話です。
しかし当然ながらフルローンにはリスクもあり、賛否両論となっています。
私も様々な書籍を読んできましたが、フルローンについてはどちらかというと否定的な意見が多いように思います。
しかしそんな中、私はフルローン推奨派です。
リスクも高いですが、上手に使いこなすことができれば、メリットが大きいためです。
問題なのは、リスクをきちんと理解もせず、何も考えずに始める人が多いことです。
私が推奨したいのは、事前にきちんと勉強とシュミレーションをする(当たり前!)ことでリスクと向き合い、リスクの本質的な部分までをきちんと理解し、対処できると判断した上で購入することです。
リスクを理解せずに買うのと、理解した上で買うのとでは、天と地ほどの差があります。
フルローンは諸刃の剣であり、リスクさえクリアにできれば、大きなレバレッジを手にし、富を築くことが可能となります。
まとめ
以上により、フルローンの概要とメリット、デメリットについて解説させて頂きました。
先述した通り、フルローンはメリットが大きい分、リスクも高い手法ですので、しっかりと準備と勉強が必要となります。
初心者がリスクとして最も避けなければならない事例が、2018年に大騒動となったシェアハウス事業の破綻問題です。
素人で自己資金がないにも関わらず、需要のない立地に新築のシェアハウスを超高金利のフルローンで購入してしまい、空室がまったく埋まらず、1億円超のローンだけが残ってしまうという、地獄のような事例が相次いで発生し、大きな社会問題となりました。
このような失敗は、しっかりと準備と勉強をすることで、間違いなく避けることができます。
先述した通り、フルローンは諸刃の剣であり、リスクも伴いますが、しっかりと準備と勉強をして正しく投資することができれば、絶大なメリットを発揮します。
フルローンでの投資を成功させるには、しっかりと準備と勉強をしていきましょう。
不動産投資について学ぶには書籍にて独学で勉強をするのも良いのですが、最初は何から始めれば良いのか分からない方も多いと思います。
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