はじめまして、投資家の関原大輔(@sekihara_d)です。
今回は「味の素の株価」を予想しながら、業績の将来性について解説していきたいと思います。
🔳味の素の株価の将来性は?【直近5年を振り返る】
✅直近5年間で株価は大きく下落
✅株価下落の理由は、業績の低迷
🔳味の素の株価の将来性は?【業績急伸で株価上昇】
✅コロナ禍で業績が急伸
✅株価も、大きく上昇中
✅株価は、割高ではない
✅安定した配当金が魅力
✅構造改革で体質を強化
「味の素の株価は、今後どうなるかな・・・」
今回は、そんな疑問にお答えしていきます。
【結論】味の素の株価は、時間をかけながら、少しずつ上昇を続けるでしょう。
味の素では現在、コロナ禍の巣ごもり需要の影響により、業績が急伸しています。
さらに同社では10年後を見据えた構造改革が進められており、今後の業績は、持続的な成長を続けるでしょう。
今回は「味の素の株価」を予想しながら、業績の将来性について解説していきたいと思います。
味の素の株価の将来性は?【直近5年を振り返る】
それでは、「味の素の株価」の将来性について解説していきましょう。
まずは味の素の現状について、直近5年間の株価と業績の振り返りから始めていきましょう。
直近5年間で株価は大きく下落
味の素の株価は、直近5年間で大きく下落しています。
下図に直近20年間における、味の素の株価チャートを示します。
味の素(2802)株価チャート_20年
味の素の株価は、2016年には一時、3,000円を超えるまでに高騰しました。
しかしこれ以降は下落を続ける一方で、2019年には1,600円台にまで急落しています。
果たして、この株価が下落した理由は何なのでしょうか?
株価下落の理由は、業績の低迷
味の素の株価が下落した理由は、業績の悪化が原因です。
直近5年間で、味の素の業績は大きく低迷しています。
下図に、味の素の業績推移を示します。
売上高の推移
(単位:百万円)
当期利益の推移
(単位:百万円)
味の素(2802)業績推移と見通し
(四季報 20年9月18日更新)
特に利益の減少が著しく、直近5年間の利益は、右肩下がりで大きく減少しています。
同様に売上高についても伸び悩み、こちらも3期連続の減収です。
この利益の減少と、株価下落の傾向は、概ね一致しています。
よって味の素の株価が下落した理由は、間違いなく業績の悪化が原因です。
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味の素の株価の将来性は?【業績急伸で株価上昇】
ここまで、味の素の株価と業績について振り返ってきました。
直近5年間では低迷していた同社ですが、コロナ禍をきっかけに業績は急伸、株価は上昇を始めています。
コロナ禍で業績が急伸
20年度になり、コロナ禍による巣ごもり需要の影響で、味の素の業績は急伸しています。
下記に、味の素の業績見通しを示します。
味の素の当期利益
✅20年3月期:18,837百万円(実績)
✅21年3月期:36,775百万円(コンセンサス予想)
✅22年3月期:49,500百万円(コンセンサス予想)
味の素(2802)業績推移と見通し
21年3月期の当期利益は、前年比で2倍となることが予想されています。
コロナ禍の巣ごもり需要で、家庭での調理機会が増えていることが要因です。
国内だけでなく、米国でも冷凍食品などの売れ行きが好調で、ウォルマート向けの販売は1.5倍に増えています。
この勢いは今後も続き、22年3月期へ向けても、さらなる大幅増益が予想されています。
株価も、大きく上昇中
この業績の急伸に伴い、株価も大きく上昇しています。
下図に直近3年間における、味の素の株価チャートを示します。
味の素(2802)株価チャート_3年
コロナ禍での業績向上を受けて、20年7月頃から、株価は大きく上昇しています。
業績の上方修正からたったの3ヶ月で、味の素の株価は35%も上昇しました。
同社の業績見通しは、引き続き好況であることから、株価の上昇も、まだしばらくは続くでしょう。
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株価は、割高ではない
コロナ禍で急騰している「味の素の株価」ですが、まだ決して割高ではありません。
下記に味の素の株価指標について、日経平均との対比を示します。
日経平均 味の素
PER (会社予想) 24.1 34.4
PBR (倍) 1.2 2.3
配当利回り(%) 1.8 1.4
株価の指標(2020年11月時点)
上記を見ると、すべての指標において、日経平均よりもやや割高な水準です。
しかし、味の素の業績は今後、持続的な成長が見込まれています。
現在の株価は、味の素の将来性を見込んだ上で、上昇したものといえるでしょう。
業績が計画通りに成長するのであれば、現在の株価は、決して割高ではありません。
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安定した配当金が魅力
味の素の株価を支えている要因の一つが、安定した配当金です。
下図に直近10年間における、味の素の配当金の推移を示します。
味の素(2802)配当金の推移
同社の配当金は安定して推移し、右肩上がりの増配を続けています。
20年度はコロナ禍で多くの銘柄が減配となるなか、味の素は配当を維持する見込みです。
このような高い安定性により、味の素の株価も、底堅い水準が保たれています。
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構造改革で体質を強化
味の素では20年2月に中期経営計画を発表し、事業全体の構造改革が始まりました。
これにより、さまざまな事業が最適化され、収益力の向上が推進されています。
成長性の低い分野の一部撤退や、売却によって資産を圧縮し、25年度までに2,000億円の資産が圧縮される計画です。
重点事業にポートフォリオを集中
早速21年3月期では、555億円の資産が圧縮される見通しです。
このような構造改革により、味の素の収益力は大きく高まる見込みです。
19年度は3%であった利益率(ROIC)を、22年度に8%、25年度には10%まで引き上げる計画です。
味の素の中期経営計画
2020年は、この計画がスタートしたばかりの段階です。
味の素ではこれから収益力を高めることで、業績が少しずつ向上していく予定です。
これにより味の素の株価は、中長期的に上昇傾向へ向かいます。
味の素の株価は、時間をかけながら、少しずつ上昇していくことでしょう。
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まとめ
以上により、今回は「味の素の株価」を予想しながら、業績の将来性について解説させて頂きました。
ここまで解説してきた項目について、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
🔳味の素の株価の将来性は?【直近5年を振り返る】
✅直近5年間で株価は大きく下落
✅株価下落の理由は、業績の低迷
🔳味の素の株価の将来性は?【業績急伸で株価上昇】
✅コロナ禍で業績が急伸
✅株価も、大きく上昇中
✅株価は、割高ではない
✅安定した配当金が魅力
✅構造改革で体質を強化
【結論】味の素の株価は、時間をかけながら、少しずつ上昇を続けるでしょう。
味の素の業績は2020年、コロナ禍により急伸し、株価は大きく上昇しています。
コンセンサス予想では、同社の業績は、今後も持続的な成長が続く見通しです。
よって業績の成長とともに、味の素の株価は、今後も持続的な上昇を続けるでしょう。
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